東沢〜釜ノ沢〜甲武信岳
昭和63年(1988年)8月4〜5日 、
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三重の滝 妻の東京行きに同行して、 新宿で1泊。翌4日、特急 あずさに乗って塩山で下車 しばらく待つと、西沢渓谷 行きのバス。かなり古い車体 のバスだったが、不思議と 周りの景色とマッチしていた バスに1時間ほど揺られると 終点の東沢山荘である。今日の 宿泊予定は村営西沢山荘で あったが、なんと休業中! 仕方なく、東沢山荘に泊まる ことになった 午後から西沢渓谷巡り。途中 から雨が降り出したが、変化に 富んで面白いハイキングコース だった <所要時間>約3時間 |
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五段の滝 |
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五段の滝 |
乙女の滝 夜は暇だった。部屋で酒を飲み ながら、妻に電話をしたり、 雑誌を読んだりして時間つぶし 翌5日、東沢山荘を4時26分 スタート。外はまだ暗く、天気も 不安。約20分で西沢山荘を通過 して、5時に笛吹川東沢の河原に 下りる。さあこれからが未知の 世界。ベテランにとっては初心者 向きの沢かも知れないが、私に とっては大変な冒険。鶏冠谷の 入口を過ぎたあたりで再び山道に 入り、壊れかかった登山道を慎重に 進む。山道は山ノ神まで。西沢渓谷 への橋の下から沢歩きが始まる 谷は相変わらず薄暗かったが、空は 次第に明るくなり、気分が少しだけ 和らいでくる |
西ノナメ沢 |
西ノナメ沢 |
魚止ノ滝 右に東御築江沢、左に乙女ノ沢と 奥ノ乙女ノ沢、右に東ノナメ沢を 見て、東沢を進む。このあたりから 沢は右に急カーブ。左に西ノナメ沢を 見る頃にやっと谷が明るくなる 東沢に入って2時間30分ほどで 二俣に到着。ここが金山・信州沢 との分岐であろうか。金山・信州沢 の方が明るいのが気になって、少し だけ偵察すると、やはり地図通りの 地形で、ここが釜ノ沢との分岐だと 確信 薄暗い釜ノ沢を入ってすぐに魚止ノ滝 どうやって乗り越えようか思案して いると、右岸(左)に倒木。これが 話しに聞いていた倒木なのか... これ幸いとよじ登って滝を越えたので あるが、この倒木がなかったらどう なっていたやら。倒木に感謝! |
千畳ノナメ |
四段ノナメ |
両門ノ滝(西俣滝) |
両門ノ滝(東俣滝) |
ヤゲンの滝 |
6m滝 |
水師沢出合下10m滝 魚止ノ滝に続くのは、千畳ノナメと 四段のナメ。これが紅葉の時期なら どんなに美しいことだろうか。また 機会があったら、ぜひ秋に来てみたい 6m滝を越えると両門ノ滝。ここが 釜ノ沢のクライマックスであった 両門ノ滝の手前でなにやら不気味な 音と影。びっくりしてしばらく様子を 伺う。向こうもびっくりしたやら、 こちらを伺っている様子。よく見ると どうやらサル。こういう時は1人では 本当に心細いもの。動悸を鎮めてやっと 両門ノ滝の下で腰を下ろすことができた 両門ノ滝からは右の沢(東沢)に入る 滝の右端をよじ登り、マヨイ沢を横切って ヤゲンノ滝とそれに続く6m滝を乗り 越える。このあたりから谷はやっと 広々と明るくなる |
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広河原? 時間を見ると9時30分。ここが 広河原だろうということにして休憩 この後は危険な所はないはずで、 やっとリラックスして濡れた物を 乾かし、気分を落ち着けたのである 25分ほど休憩後、気持を引き締めて 出発。倒木の多いゴーロをせっせと 歩くのだが、分岐のようで分岐でない 枝沢が多く、地点確認に戸惑う 水師沢分岐手前には数段10mの滝 これを慎重に乗り越え、倒木だらけの 本流(右沢)に入る。ペンキ印に勇気 づけられてさらに進んで行くと、やっと 木賊沢出合。もうここまで来れば山頂は 目前。ガレ場を黙々と登り詰めて小屋の 水場。11時50分に甲武信小屋に到着 | |
甲武信小屋 1人ビールで成功を祝って昼食。ここは 簡単な沢かも知れないが、私にとっては 大冒険。1人しみじみと登頂の喜びを かみしめたのである しかし長居は無用。今日中に東京に 戻らなければならない。天気も次第に 悪化している模様。ガスの中、山頂を 往復後、戸渡尾根の近丸新道を急ぎ 下山となる 東沢山荘には15時30分到着。甲武信 小屋からちょうど2時間30分。山荘に 預けた荷物を受け取り、風呂に入って 汗を流す。そして、17時5分発のバスに 乗り、塩山を18時19分発の普通で 新宿には20時19分到着。振り返って みれば、天候にはあまり恵まれなかったが 1人で行ったことが本当に信じられない 翌日、書店で関東の沢登りの本を購入した ところ、写真入りで詳しい記事が載って いる。最初からこの本を買って予習すれば もう少し楽だったかも? |